Appleの自社AIシステム「Apple Intelligence」。昨年導入されたこの技術は、現在一部のiPhone、Mac、iPadで利用可能ですが(日本では今年4月からサービス開始)、その機能強化に向けた新たな動きがあるとされています。
業界アナリストによると、GoogleのAIモデル「Gemini」がApple Intelligenceの新たな協力パートナーとして加わる可能性が濃厚とのこと。この提携は早ければ再来月開催される年次開発者会議(WWDC25)で正式発表されるかもしれません。
現在のApple Intelligenceは多くの処理を端末内で完結させる設計となっていますが、複雑なタスクには外部AIの支援が必要です。現時点ではOpenAIのChatGPTがその役割を担っていますが、ユーザーの選択肢が増えることで利便性が向上すると期待されています。
専門家は「GoogleのGemini以外にも、AnthropicのClaudeやPerplexityなど、複数のAIサービスがAppleのエコシステムに参入する可能性がある」と分析しています。一方で、MetaのLlamaモデルについては競合関係からiOSへの統合は難しいとの見方もあります。
この新たなパートナーシップにおいて、ユーザーがどのようにAIサービスを選択・利用できるのかはまだ不明です。現行のChatGPT連携では1日30回という利用制限がありますが、新パートナー追加後もこの仕組みが継続されるのか、あるいはパートナーごとに別枠の利用回数が設定されるのかは明らかにされていません。
Appleが推進している「Private Cloud Compute」技術は、ユーザーのプライバシー保護を強化しながらクラウドAIの能力を活用するための仕組みです。Appleだけでなく、QualcommなどのチップメーカーもAI処理のオンデバイス化を進めていますが、現状ではクラウドAIの支援なしにすべての高度な処理を端末内で完結させることは難しいとされています。
WWDC25は6月9日(米国時間)に開幕し、iOS 19をはじめとする次期OSの詳細が発表される予定です。Apple Intelligenceの機能拡張についても、この場で重要な発表があるかもしれません。